13HDと私


cintiq 13HDを買って1年ほど経つのですが、配置などでいろいろ試行錯誤してたのがやっとひと段落ついた気がするので1年の試行錯誤の軌跡をまとめます。


1.導入のきっかけ

長年板タブ(初代FAVO→3代目FAVOIntuos3で計15年ほど)を使っていたのですが、板タブ使用者ならわかると思うんですが、ペン入れの時にCtrl+Zで何回でも線の引き直しをしてるのが気になってて、これ液タブにすればちょっとは線ひきやすくなってやり直しが減るのでは?って思った。

あと前から液タブに憧れもあって、いつか値段がもうちょいこなれたら欲しいな〜と思ってたら13HDというサイズも値段もお手ごろで性能もよさげなやつが出ちゃったので買うか!?いつ買うか!?って感じだった。

2.接続で最初のつまずき

まあそんなこんなで買うに至ったのですが、もともと使ってたメインモニタ(NANAO FlexScan L887)と13HDでデュアルディスプレイにしようとしたら予想外の大穴出現。

13HDはHDMI接続で、それは事前に知ってて当時使ってたマシンはHDMIの端子もついてるしとくに何も心配してなかったし、実際繋げてみたら普通につながったのですが、メインモニタと13HDでデュアルにしようとすると上手くいかない。

なんでー!?と調べたら、当時家族に作ってもらった自作機(自分で作ってないのだから他作機と言うべきかw)を使ってたのですが、グラフィックがオンボードのもので、そいつがアナログ接続+デジタル接続でしかデュアルディスプレイにできなかった。

つまり、13HDをHDMI(デジタル)でつなぎ、さらにメインモニタをDVI(デジタル)でつなごうとすると両方ともデジタル接続になってしまうためにデュアルディスプレイにできない!という。

まあ原因さえわかればどうにでも…ということで、メインモニタはアナログでの接続もできたので、メインモニタをアナログのケーブルで繋ぎ直し、13HDをHDMIで繋いだらなんとか一応デュアルディスプレイにすることができました。

しかしずっとメインモニタはデジタルで繋いでいたので、アナログにしたら色が悪い+13HDも発色が微妙に気になって色を塗る気力が大幅ダウン。できとうなグラフィックボード買ってデジタル+デジタルで接続できるようにしようかなあ…とかだいぶ思ったんですが、遠くない未来にメインマシンを買い換えるつもりがあったのでとりあえず現状でしのぐことに。

3.しっくりこない日々

とりあえず使えるようにはなったので落書きや試し書きをしてみたけど、どこにキーボードを置いてもショートカットが押しにくい!今までキーボードショートカットで不自由してなかったけど、初めて左手デバイスの必要性を感じました。


あと下向き気味に作業することになるので、肩や首がめっちゃ凝る!これも改善策を考えねば…となる。

作業環境の構築が上手くいかなくて、絵を描くモチベーションだだ下がりしてしまう。こんなはずでは…ってめっちゃ思った。

4.左手デバイスを導入してやめる

キーボードショートカットがどうしても押しにくいので、ゲーミングデバイスか小型の無線キーボードか、何かしらの左手デバイスがいる…と思っていろいろ調べたんですが、メインマシンを買い換える予定だった(しかもwin→macにするつもりだった)ので、買い替え後のことを考えると買うのを迷う。

買い替えたらキーボードにテンキーのついてないiMacにする予定だった&サブマシンとして使ってるMacBook Airもテンキーついてないから…ということで、左手デバイスとしてダメでも使い道のある&値段も安いUSBのテンキーをとりあえず買って試すことにしました。

テンキー買って、Dresskeyを導入してショートカットあてて試してみたのですが、細かいことは忘れたけどたしか何かしら自分の望む動作をさせるのが難しくて(ソフト的な問題じゃなくてハード側の問題だったかもしれないけど忘れた…)、結局使うのをやめてしまいました。

やっぱショートカット押すのはキーボードだ!ってなったのですが、配置上手くいかなくて押しにくいし…でまたモチベーションが下がる。

5.机を作る

それまで使っていた机は900mm*600mmだったのですが、メインモニタと13HDを置くと狭くてやりにくいし、作りも微妙で座りにくかったので、机を新調しようという気分に(13HD買うより前から買い換えるつもりではあったのですが)。

めっちゃ調べたけど自分の望む机が予算内で見つけられなかったので、もういっそ作ろう!ってなって作ることに。

http://shop.woodworks-marutoku.com/で天板用の1500mm*700mm*厚さ30mmのタモの集成材を注文し(めちゃ重くて心が折れかけた…女性一人で作業する場合は重さに注意)、ヤスリをかけて無臭柿渋+蜜蝋クリームで仕上げて、脚はhttp://ucone.jugem.jp/で鉄脚を買って取り付けました。制作費は天板+脚+塗料類で3万円ちょいくらいだったと思います。

ターナー 無臭柿渋 500ml

ターナー 無臭柿渋 500ml

  • メディア: おもちゃ&ホビー

天板と脚をつけるだけの簡単DIYですが、自分の望み通りの机ができて満足。150cm*70cmの天板広くてとても快適!

6.13HDの配置に確変起きる

机は広くなって快適になったけど、13HDの配置は相変わらずなので絵はそんな描きやすくなったわけでもなく…絵を描くモチベーションがダダ下がりでやばいと思い、改善策を探して「13HD 配置」でググる日々が始まります。

そんなかで見つけたこの記事にビビビっときます。

液タブの位置をあげて、その下にキーボードを置く。板タブ使用時と配置を近づければいいんだ!ということに気づくのです(気づくのが遅い)。

とりあえず13HDの下に適当な雑誌を置いて位置をあげて目の高さに近くして、13HDの設置角度も垂直に近づける(付属のスタンドを一番上にしました)。キーボードは13HDの下に置きたいところですが、とりあえずは手前に。そしたら以前より描きやすい…!これだ!となりました。

13HDの位置をあげるためにちゃんとした台を買いたいところですが、メインマシン買い替えのあとのほうがいいか…ということでとりあえずしばらくは雑誌を下に置いてしのぐことにする。

13HD自体の位置が上がると、コネクタ(なんか弱そう)とマウスが干渉したりすることもなくなってよいです。

7.メインマシン、win→mac

夏ボー出たので27インチのiMacを買いました。Retinaじゃないやつ(最初Retina欲しかったけどよく考えるとそこまでRetina必要じゃないなって気づいて…)。吊るしの状態で買って、メモリだけ自分で増設した。

iMacはThunderboltのポートしかついてないので、Thunderbolt(MiniDisplayPort)とHDMIの変換アダプタ買ってつなげました。13HDとMacで使用者の多そうなエレコムのやつにしました。とくにトラブルなく普通につながる。

8.気づいたら表面に傷がついてる…

ワコム的にも保護シートとか貼らない方がいいよというスタンスっぽいので、13HDの表面にはとくに何も貼らずに使用してたんですが、気づいたら表面にうっすら傷が…あーやっぱ保護シート貼った方がいいな…と思い、ちゃんとしたのを買うまでのつなぎでとりあえずダイソーの液晶保護シートを買って貼りました。ググって知ったんですが、ダイソーの液晶保護シート、13HDの描画面カバーできるサイズです。ただしめっちゃテカテカ。

9.13HD用にノートパソコン用のスタンドを買う

メインマシンも買い替えたので、そろそろ13HDの位置をあげるためのスタンドを買おう…とこれをポチりました。

ノートPC用のスタンドとかモニタースタンドとかいろいろ選択肢はあったのですが、パワーサポート信者なので…あと下にキーボード入れるのを考慮すると4本脚タイプよりコの字型がいいかなって思ったんだよね。


アマゾンのレビューにもありますが、若干13HDのほうが大きいですが全然問題はなくほぼぴったりサイズです。高さが問題なければオススメできる。

10.スタンドとキーボードの干渉

パワサポのスタンドはアップルのワイヤレスキーボードが下に収まるサイズで、やったーぴったり!って思ったんですが、双方のサイズが絶妙すぎて干渉が…

キーボードの裏にフェルトを貼ってみたりして干渉を抑えようとしたんですが、いろいろ試した結果、キーボードの下に板的なものをひいて、それをスライドして使うのが一番良さそうということに。

そのとき手元にあったキーボードの下に引くのに一番いい感じの板がオルファのカッターマットだったんですが、カッター使うときに困るでしょ!ということで代わりになる板探しが始まります。

11.ちゃんとした保護フィルムを買う

間に合わせでテキトーな保護フィルムを貼ってたので、いい加減ちゃんとしたものを買おうとしたんですが、Amazonとかで13HD用で売ってるのはレビュー読んでもどれもいまいちピンと来ず。

iPhoneMacBook Airパワサポの保護フィルムを愛用してるのですが、これアンチグレアで13HDにもイケるんじゃない…?と思い、サイズの一番近かったMacBook用のを買ってみました。

パワーサポート アンチグレアフィルム for MacBook 13inch PEF-53

パワーサポート アンチグレアフィルム for MacBook 13inch PEF-53

  • 発売日: 2008/12/05
  • メディア: Personal Computers
若干大きいので下の方だけ切りました。13HDにデフォで貼られてる保護フィルムの質感に近くていい感じです。満足している。

12.板とすべり止め

キーボードの下に引く板、カッターマットのあとはダイソーで買った竹のまな板を敷いていたんですが、硬い板だとスタンドの足の部分と板がカタカタして気になるということに気づきました。カッターマットは塩ビで出来ていたため柔軟性があったのですよね。あとカッターマットに比べると厚みがあるのも気になって…

別のもの…柔らかい板…と探して見つけたのがダイソーで買ったPPシートです。厚さやサイズが何種類かあるんですが、335mm*500mmで1mm厚のものを使っています。335mmって幅がスタンドの下にジャストサイズです。335mm*220mmくらいにカットして使用しています。サイズも厚みも柔らかさも納得行く感じに。

あと、13HD付属スタンドの下にもすべり止めはついてるんですが、たまに動いて気になるのですべり止めシートを敷きました。ホームセンターや100均で売ってるようなやつです。動かなくなった。

13.メインモニタと13HDの位置の調整


ノートPCスタンドで13HDの位置を上げると、iMacの下のほうが13HDで隠れます。これ高さ調整のできるモニタだったらモニタ側を高くすればいいだけなんですが、iMacは高さの調整ができない&隠れるのも下の方だけなのでそこまで気にならないかな…ということでしばらくそのまま使ってたんですが、やっぱ気になる…ということでとりあえずiMacの下に雑誌を置いてiMacの位置を上げました。これもそのうちちゃんとしたスタンドを導入したいと思ってます。

14.角度を変える

13HDを使ってると下向き気味になって肩がめっちゃ凝る件、13HDの角度を垂直に近づけてさらにノートPCスタンドで13HD自体の位置を上げることでちょっとはマシになったのですが、垂直に近づけると手が疲れる笑。

あるとき、13HDの付属スタンドの高さを一番上から真ん中に変えてセットしなおしてみたら、前ほど違和感なく絵が描けた&手も疲れないのでそっちでいくことに。

15.椅子も買った

15年前?とかに買ったしょぼい椅子を使ってて、何度も腰痛になってたのでこれもそのうち買い換えるつもりだったのですがとうとう買いました。

液タブ使用時のことを考えて前傾チルトと、あと腰のためにランバーサポート必須で調べて、大塚家具などで何度か試座して、ハーマンミラーのミラ2チェアを買いました。まだ使い始めてそんな経ってないのでなんとも言えないですが現状いい感じです。またなんか気になることとかあったら書くかも。

このまとめめちゃ参考にした。
matome.naver.jp

こんな感じで、だいぶいろいろ試行錯誤しましたが、快適に13HDで絵を描くことができるようになりました。買った当初思ったより違和感(描き味より設置的な問題の)が大きくて、こんなはずじゃ…って結構焦ったのですが、ほぼ解決できたかなーと思います。

そういえば13HD自体は、自分の手が邪魔なことと発色がちょっと不安なことくらいしか大きな不満点はないです。長年筆圧レベル1024のIntuos3を使っていたので、13HDで2048レベルになったときは思ったより描き味がよくなって感動した笑。線を引くのが楽しくなりました。